• 機巧奇傳ヒヲウ戦記/オリジナル・サウンドトラック1(2/3)

    Track8. 炎

    戦闘時の炎。やはりこれがなくてはタイトルと言えない!序盤からバンジョーの響きが熱い。ギター・ベース音も激しく、静かに込み上げてくる感情。これがヒヲウの、炎の心といったところ。バンジョーを多用した激しくも爽快で、でもそこはかとなく繊細な情感もたっぷりな名曲です。

    ここはやはり、1話が一番印象に残ります。リアタイ時からやはり大好きでたまりません。村を襲撃する風陣の目を引き付けるために飛んだマユ。そんな姉を助けるため、約束の炎を動かすことに四苦八苦するヒヲウ。シーボルトの懐中時計をはめ込んだ時、炎は動き出した。

    「走れ、走れ、走れ・・・」「やった!」「待て!どうやってここから出す!?」「知るか、そんなこと!走れ、炎!!!」

    過酷な旅のはじまりにして、神体だった炎の、目覚めの瞬間。諦めかけたマユの目の前に現れた炎。向かってダイブするマユを、全力で抱きとめるヒヲウ。あぁもう、なんていうか、情熱と優しさ、思いやりすら感じて、大好きです!!!

    Track9. 風陣

    序盤のエレキから徐々に発せられる不穏な響き。敵である風陣らしいテーマと言えるのではなかろうか。物語後半パートだと大人たちの思想による怪しいアクションやら陰謀等に使われてることが多い。若干ロック調ですが、Track6よりも少し抑えめなところも特徴。

    3話。原田の敵討ちの意に感化され、捕らえたロクゾウに母・シノの敵を討ちたいと突撃するシシ。シシの叫びが空しいけども、シンパシーを感じるのは無理もない。マユの「何をしてるの!これはからくりのための道具よ!」の穏やかな静止にも耳を貸せないのも頷ける。兄姉弟全員揃ってるヒヲウ達に気持ちが汲めないわけではないが、ここまで追い込まれるまでの心理にはさすがに至らないだろう。

    敵を討ったところで何も変わらないと諭す才谷。武士の心のままに復讐を促す原田。原田の切腹の傷跡を目にしても「いったそ!わしぁ、痛いのは嫌いだ」と言いのける。人殺しと復讐は、後のストーリーにも重要な要素である事が、ある意味示唆されている。

    Track10. 襲撃

    これは戦の前触れ・予期せぬ事態によく使われる。カラカラ、カラカラ…という不穏な響きからの、バンジョーのジャンジャラララ、ジャンジャラララ…の旋律、エレキの不協和音的な音色が却って危うさをより一層強調されます。Track8.がその後の逆転なら、こちらはあまりいい状況でない時で、びくっとさせられます。

    17話。物語後半の主な舞台は海沿い。ヒヲウといえば、幕末の動乱期なのもあり、海が舞台なんですね。印象的には山よりも強い。

    新月藩と手を組んだ風陣と遭遇し、襲撃を受けるヒヲウ一行。そんな最中、アラシもクロガネの命令によるアカの攻撃に遭い、その際にヒヲウに正体がばれてしまう。ヒヲウにとってはライバルであり友達、友達になりたいライバル。お互いの会話こそかみ合ってないが、ヒヲウのアラシに対する思いやりは変わらない。それを裏付ける過去があってもなくても、恐らく同じであろう。

    このふたり、からくりが好きだという部分が共通してる一方、この時点で決定的に違うのは、からくりは何のために好きであるか。ヒヲウはからくりは無限の可能性を秘めてる事が、純粋に楽しい。アラシは自分の立場からの過去故の、戦のために用いるという、双方の食い違いが切ないところが垣間見える。

    他にも相違はあるのですが、それはまた他のTrackにて語ります。

    Track11. 蒸気機巧

    ロック調のサントラの中でも、不穏な空気の中に、タイトルの通り蒸気音イメージの音楽もところどころにあります。
    個人的な印象として、風陣が忍者イメージなのもあり、まるで忍者が現れたかのようなドロンとした曲調。SLの蒸気音とも違う、独特なリズム。カッコいいけどいろいろと混沌としたイメージです。

    使用シーンは2話。蓬莱寺村へ戻ったシシとマチ。焼け野原となった蓬莱寺村に呆然とする中、風陣と出くわす。おそらく風陣の化けた姿であろうが、アカの向こうには連れ去られる村の人達がいる。リアタイ時は釈然としてなかったけど、シシの「母ちゃん!」の一声に元気な彼の子供故の繊細さが伺える。マチも気丈に振る舞うも、心情的にはシシと同じであるからこそここでは彼と行動を共にしたのであろう。

    その直後の悲愴な顛末を考えると、やはり風陣許すまじとなります。大人でも辛いのに、ましてまだ子供。突然にして村を襲われ、家族を殺されるというのは、あまりにも残酷で哀しすぎるストーリーです…

    Track12. 灰色の卿

    時代の荒波故の、人情味あふれる情感たっぷりの曲。エレキとバンジョーの協奏からはじまってるかな。バンジョーの旋律は使用シーンの心理を物語ってるようで非常に印象深い。対してエレキの音色は無情な情景を想起させている。全体的に力強く、そしてどこか物悲しく、じんわりと刺さってくる…。

    26話。とうとう近江屋事件です。謎のからくりの襲撃によってとどめを刺された直後、ヒヲウとシシが出生祝いに駆けつけた時にはすでに遅し。

    命尽きる前の、坂本のヒヲウへの最期の言葉。「人殺しはいかん」「あったりまえだろ、そんなこと!オレは人殺しなんか大嫌いだよ!」「お前の言うとおりだ、わしが死ぬのは」「いいわけないだろ…」何より人が死ぬことを嫌うヒヲウにとって、争いや人殺しはどんな理由があっても許せない。ましてや坂本はヒヲウ達にとって最大の理解者。その命が無残にも奪われるというのは今の時勢は当たり前であっても良しと出来るわけもない。世の無常に対する憤り・哀しみを感じずにはいられない。

    最期の時もヒヲウ達への気遣いがとても泣ける。江戸へ嫁ぐマユへの祝言祝い、そして「炎は再び舞わねばならない」とヒヲウに託したもの。うぅ…坂、いや才谷…泣かせる…。

    Track13. ウィンディ・デイ

    優しくて穏やか、タイトルの通り風のような安息と平穏をイメージさせる一曲。ピアノの伴奏がセンチメンタルな印象で、エレキもここでは沁みる響き。リラックスというか、心身にも優しい旋律が心地いい。機の民ってこういう原風景のような世界で生きたいのかもなぁと思わせますね。後半から加わるブルースハープにも、じんわりと来るものがあります。

    9話。過去にマスラヲが送ってきた最後の便りを手がかりに、マスラヲに会えるかもしれないと飛騨高山へようやくたどり着く。しかし、マスラヲはすでに去っており、がっかりするヒヲウ一行。マスラヲに頼らず自分達で生きていく道を提案する才谷。落胆する中で、自分達の出すべき答え・生きていく道とは…。

    からくり師・マスラヲに会ってどうにかしてもらうから旅をするのではなく、純粋に父ちゃんであるマスラヲに会いたいから…というのが伝わるのがこのストーリー。炎の新たな力を知った時、からくりの無限の可能性を見出したヒヲウと、その驚異的な力に触発されて自分の手でからくりを作りたくなったアラシの対比も見どころだと思ってます。
    ところで、えれきてるはどこぞで手に入れたんでしょうかね?多分マスラヲかな?1話のマユの台詞「炎は父ちゃんにも動かせなかったのよ」で…ヒヲウと同じく、炎を動かそうとしてたのは間違いないだろうからなぁ。

    Track14. シャムロック・ショア

    ジャンル屈指の美しい曲。序盤の弦楽器から細やかでノスタルジックなつくり。でも終盤にかけてのクオリティは壮大。ゆったりとした旋律の変化がとても好きです。さまざまな楽器を多用し、繊細ながらもどこか晴れやか。心象風景という言葉がマッチしてます。

    8話の雪の森の中で、マチの繊細な心情と舞い姿が美しく、儚さをもはらんでいてとても好きです。マントを翻し、月明かりに照らされながら、自身のからくり人形に合わせて優しく舞う。
    数少ない女子回ならではの演出かと思われます。人形が止まると同時に月明かりも消え、「ふぅ…」と一息をつく複雑な表情、何とも言えない。

    華との生育の違いからくる隔たり、戸惑い、葛藤。常日頃は年齢以上に強くてしっかり者な彼女の、垣間見える少女らしい心理に心を打たれます。打ち解けるだろうと思っていた華との間の溝・隔たりは予想以上に大きな壁だと突き付けられた現実。
    その直後の難において、武家の生き方にわりきれない・正しさが通らないというさらなる過酷な現実。それでも見捨てることはできない、ゆるぎないマチの優しさが見える大好きな回です。華もきっと、彼女の思いと浮かべた涙に響くものがあったはず。

  • 機巧奇傳ヒヲウ戦記/オリジナル・サウンドトラック1(1/3)

    Track 1. ヒヲウの夕暮れ

    後々バラエティ番組にも使われた名曲。その名の通り、夕暮れ。笛の音から始まる音色は、懐かしい集落の原風景、あるいはヒヲウ達の故郷・蓬莱寺村を想起させる。全体的に優しくノスタルジックなメロディー、穏やかで活気が盛んだった機の民に相応しい。旅先の列車の中で聴きたいというか、旅行の際は必ず聴いてます、当方。

    アバンの他に次回予告に使われることが多いですが、25話と最終回のクライマックスで使用されたシーンを今見返すと、メロの哀愁も相まって涙が溢れます。
    「自分たちの祭りのために炎は舞う」「ただ笑ったり、泣いたり、ご飯食べたり、そういう普通の生活」双方のつながりが彼らの運命を「戦のために危うきものになる」ではなく、「平穏のために前を向いて歩む」というテーマにマッチして、鞍馬山の景色というか自然と調和することによってより一層沁みる。
    彼らには平穏が訪れてほしいと思う一方、平穏のために炎は動く。戦そのものではなく、戦を防ぐため。同時に、その先に平穏があるからこそのからくりの旅は楽しい。そんな思いがこめられているのかなとこの歳になって思います。炎の姿が現れた瞬間、一気に涙腺が崩壊。好きだ。大好きだ。

    Track 2. ヒヲウのテーマ

    言わずと知れたOP。機巧と炎、風陣、新月藩、幕末の志士達、そしてヒヲウ達・機の民。それぞれにある生き様は、種類は違えどみんな熱いと思わせる熱血サントラ。歌はなく、演奏とメロに合わせて「ヒヲウ~」と叫ぶ声。あとは何言ってるかは何度聴いてもわからないのですが、独特の合いの手らしき声も印象深い。

    OPアニメは躍動感あふれるヒヲウらしい軽快な動きが終始あります。駆けるヒヲウから始まってタイトル、物語を取り巻く人々をクローズアップしたコマとこれからはじまる旅の情景、機巧じかけの内部で駆け回るヒヲウ、炎と風陣の対峙、そして故郷に思いを馳せながら涙を流すヒヲウ一行…OPだけでもドラマが深い。
    最終回はヒヲウではなく、才谷が駆けるところからこれまでの彼のドラマを物語るアニメーションが描かれてましたね。坂本龍馬の寺田屋事件はリアルタイムで初めて知ったのも、この一幕だったりします。

    Track 3. 険しい旅

    ドラムとギター・ベース音が印象深い一曲。ところどころわざとはずしたような音がしますが、それが一層複雑な印象を与えてくる。旅の中でのヒヲウ一行の苦しい胸の内を語りかけてくるようで、過酷な旅で苦難にぶつかる彼らに励ましを送りたくなる。

    個人的には特に14話でのヒヲウの心情にエールを送りたくなる。佐幕派・尊攘派…それぞれ己の信念のために志を貫く人々によって移り変わる時流の中に翻弄されつつ、「皆嘘ばかり。何を信じればいいのか」と思い悩む。尊攘の志の中、その信念のままに武士として散った有坂。獅子王からヒヲウ一行を助けるため、思い切った行動に出て正体を明らかにする雪。
    さまざまな信念と覚悟を持つ人々を目の当たりにする中で、機の民の真実を知ったヒヲウ。「自分にも命を懸けてできることがある」ではなく「テツも皆も助けたい」という、ある意味信念を新たにする一頁だったようにも思えます。

    Track 4. 戦士の休息

    弦楽器(ギターとかベース辺りか?)と和楽器の調和がなんともノスタルジック。「からくりは祭りのために用いるべし」の信条を持つ機の民に合わせてるのか、晩夏の夕焼けを想起させるようなイメージの曲が多いのがヒヲウかなと思います。子供の頃に見た風景を見ると一層沁みる一曲です。大人といわれる今では、「今日も一日頑張ったな」という時に聴きたいところ。

    使用されたシーンとしては、4話のからくり勝負でケンカして壊したヒヲウのからくり人形を自分の手で直すシシと、それを見つめる原田。自分の手で壊した時の、シシの目を開きながらも虚ろ気な表情が忘れられない。
    自分に出来る事は人形を直すことだけ。人形ではなく、人だったら直すことはできない。原田はシシが敵討ちをしなくてよかったとだけではなく、彼の胸中を察していたのもあって「正直言うとホッとした」という言葉だったのかも。
    ヒヲウの方もサイの呼び止めを聞きながらも、ゼンマイを巻いたりしかけを調べるなどの口実をつけてシシの帰りを信じて待つ。シシを思うヒヲウへの、サイの温かいまなざしが沁みる。

    Track 5. 旅の景色

    サントラ担当のヒートウェイブさんは「ヒヲウにはバンジョーをよく用いる」と番組終了後の視聴者コーナーで言っていた記憶があります。これもその一曲かな。バンジョーの音色が賑やかながら爽快な曲。終始繰り返されるメロに飽きがこないというか、海の潮風を受けている気持ちになります。

    というのも、1話の船上でのシーボルト親子とジュヌビエーブの会話シーンが情景として一番合ってるように思えたので。思えば10話のバートさんの時もそう。異国人の海の向こうへ思いを馳せる胸中ってこの曲のようなイメージなのかなと。
    とはいえ会話内容は結構複雑。いや、初っ端からドイツ語だからじゃなくてですね(すぐに日本語で巻き戻し&再生されます)。異国の脅威というか、日本の行く末を案じているような内容。
    その一方、彼らに出くわしたヒヲウとシシに、30年前に来日した時の子供たちのことを「あの頃と変わってない」と思い出すところには、のちのストーリーを思うと安堵します。余談ですが、4話アバンのマスラヲ・才谷の黒船見物もここら辺を意図していたように今となっては思えます。

    Track 6. ヒヲウのロックンロール

    名前の通りロック調なのですが、メインにはブルースハープを用いてるのかな。ギターやドラムも軽快で、躍動感じるリズムが印象深い。元気でアクティブなヒヲウというイメージだと、この曲。情景的にはTrack5.旅の景色が大海原の印象なら、こちらは登山道の印象が強いです。過酷な旅の中で、前を向いていく姿が目に浮かびます。

    6話の鎖峠。崖の険しい山道の中、神体形態の炎を押しながら進むも、壊れかかる。この先は子供達だけでは危険・越えられるわけがないと諭す大人達を前に、サイは「越えてみせる、諦めたくない」。出来るではなく、成し遂げなければならない。会いたい人がいるからこそ、前を向かねばならない。修復・改造した炎の力と皆の地道な綱引きで炎本体を引っ張り上げ、ようやく峠を越えた直後の「青いなぁ、空って・・・」サイの第一声がとても好きです。
    序盤のヒヲウに出てくる大人達は、優しさや葛藤の中で、子供達のために先を行く事に諭したりする事が多い。5話の勘兵衛・フク夫婦、6話の喜三郎・権十は、彼らのためを思って・・・というある意味尊重と思いやりもあるのが特徴。こうした大人達の壁を乗り越えるというよりも、彼らの事情や想いに理解を示しつつも、それでも自分達の意志を貫く姿勢がヒヲウらしい成長譚だなと思います。

    Track 7. 切なさを知らず

    ギターとブルースハープの音色がセンチメンタルな気持ちにさせる一方、全体的には旋律が穏やかで優しい。どこかから誰かが語りかけてくるような錯覚にもなります。忙しい時に落ち込んでいたりすると、時には立ち止まって安らいでもいいと思えるような、温もり溢れる一曲。

    22話で自分の中に込み上げてくるものに恐怖し悩むヒヲウへの拳骨和尚の言葉にハッとさせられます。とにかく年配とは思えぬほどの腕っぷしだからこそ説得力がある。腕力というかからくりはあってもなくても、心の揺さぶりによって戦は生まれる。思いによって、武器にもなれば豊かにもなる。
    わかりやすく明確で胸を打つ答えと「子供は子供でおれ」と諭す拳骨和尚は、才谷不在の中では屈指の理想の大人です。馬関編で尊攘派に翻弄されるヒヲウ一行の思いを最も優先してくれる数少ない人でした。サイもマユも、戸惑うヒヲウへの導きには感謝してもしきれなかったのも頷けます。

  • ヒヲウの感想ざっくり

    のちに2話ずつごとに分散させたいな、という願望も込めてメモメモ。

    3話/桜田門外の変でもう視聴者にはわかってしまう悲劇。「父ちゃん、そんなことって…」とは思うけどのちにこれはある意味のミスリード狙い?原田さんと才谷さん登場。どちらもリアタイで初めて知りました。才谷さんとしてだが。

    4話/少年アラシとの対決。なんかバラガキ土方さんってこんなイメージ(やめなさい)。ゼンマイ(のちに名称がテツ向けにでんでんむしに変わったみたい?)巻きつつ、シシの帰りを待つヒヲウ。壊してしまったヒヲウのからくり人形を独自技術ながら直すシシ。

    5話/親切なご夫婦に恵まれつつ、大人とは子供とは何なのか。ヒヲウの本音というか正論って一見するとワガママなんだけど、わりと人の根幹にありしものなのか訴えかけるものがある。

    6話/サイ兄ちゃんの才覚と思慮が発揮される貴重な見どころ。表面的な性格は違えど、諦めたくない気持ちはヒヲウと同じ。自分の知識を最大限に発揮して鎖峠を越える。そしてゲスト…そのエピソードに焼き付かせんとばかりのポジションや補正もさながら、いつも声優さんも豪華だと再認識。スタッフの采配が素晴らしい。

    7話/双子ちゃん登場~雪ちゃんが可愛い。そしてこの頃の華ちゃんが当然ながらピリリとしてて気位高いの、最終話知ってる身としては新鮮というかなつかしさ。半蔵さんも定昭殿、イシたちも初登場。ここらで主要なサブキャラクターもそろってきた感が好き。お話も不穏な空気ながら、ヒヲウのまっすぐな心は根拠はなくても人の痛みを察するからこそ響く。

    8話/マチちゃんヒーロー回。これで9歳とか嘘でしょなくらいの芯の強さ。生きてきた環境の差異からすれ違うというか相容れない雰囲気だがだからこそ理解を示した華ちゃんとふたり。ちょっぴりでも打ち解ける話はやはりいいですね。雪景色の中で舞う幻想的なシーンも、愛らしさの中に複雑な心理を表してる表情もありみどころ~。大好きな回です。

    9話/父ちゃんからの最後のたよりがここってことで飛騨高山到着。ホント父ちゃんどこ行ったんだ。そして清川さん登場がきな臭い空気を呼ぶ。ここから戦に巻き込まれていくヒヲウ達を思うと、動乱の大人達の理不尽さが…

    10話/風陣は出てくるけど、宿で泊まらせてもらう代わりに仕事したり温泉入ったりとリラックス感があるホッとする回。バートさんが気さくで、ちゃっかりヒヲウのからくり人形ゲットしたりとなかなかにしたたかなんだけど、お茶目で憎めない。対し秀太郎氏は生真面目で融通が利かないが、認めざるをえない感でしたね。こういう親睦がのちの話に響く。

    11話/武士とは何か。からくりとは何か。守るべきもののためにあるものというのがテーマながら、ほろ苦いストーリーでした。ヒヲウとからくりに理解を示すも、息を引き取るむげんさんが何とも言えず切ない。相楽総三はこの回のみの登場でしたが、赤報隊の歴史も少しかじったら面白さは増すかもしれない。

    12話/久坂さん登場。そして華ちゃん雪ちゃんの出自と秘密。三剣家の嫡男はどちらか。どちらかが女装…っていっても、あまり意味ない気もするな~とツッコみつつ、いろんな事情やら真相があることを明らかにされる。そしてヌエも由来としては鵺からかも…と思うと味わい深い。したたかな悪女。彼女の出番は最終話までお預けですが、これは花の都・京で繰り広げられる陰謀の序盤に過ぎなかったのだ感…

    13話/有坂さん登場。あの華ちゃんがときめく気高き武士及び尊攘の志士。薩摩弁話すキャラもレアなのに緒方恵美ボイスで聴けるのは貴重ですね。叔父上とは思想の違いから対立し後には引けない雰囲気を醸し出す。有坂さんの同志に華ちゃんが捕らえられたり、ヒヲウとケンカしたテツがイシ・フブキと行動を共にして親しくなったり、再会した清川さんに獅子王と会わされるヒヲウ…いろいろ複雑で不穏な事情がありましたね。

    14話/お正月~。獅子王の言葉から、機の民の先祖は元は御所=天皇に仕える者の末裔だったことが判明。やはりさぞ尊い一族だったのだな。清川さん暗転で謀られてしまい、獅子王に捕らえられるヒヲウ達。サイ兄ちゃんが本当苦労性ですね。どうやって交渉したのやら。再び天皇のために仕えることを諭される(というよりは命じられてる感)ヒヲウ一行。もういろいろ真実が突きつけられて大変です。視聴者も気苦労が絶えない。やはり雪ちゃんが嫡男でしたね。有坂さんに触発されつつも、ヒヲウらしいまっすぐな意志で「皆助けたいんだ~!!!」と叫ぶのが刺さりますわ。天狗の剣を炎とは別の場所(長岡京跡)に祀っていることに、サイ兄ちゃんが察してるのが思慮深い彼らしさですね。すごく好きな回でした。

  • ミュ山南篇感想を箇条書きメモってみた

    前置きとして、私はミュに関する知識は無印藤堂篇のみ視聴なので、他シリーズの演出・役者さん等は申し訳ないことにいまいち把握してないので、その事のみご理解して頂ければ幸いです。ストレートに箇条書き。

    ・紅に光る障子に映える黒い羅刹のシルエット、舞台真ん中に置かれた変若水、変若水を求めるように這いつくばる山南さんのホラー的な演出、好き!!!

    ・新選組及び羅刹との遭遇と出会い。千鶴ちゃん芯強さ美しい。舞台やミュならではの殺陣の演出の嵐。

    ・さまざまな信念を持つ隊士達。池田屋の歌、殺陣、振付良き。土方さん平助くん贔屓でもあるワイ役得。

    ・パパと薫君登場!薫君麗しい!ちーさま、不知火さん、天霧さんも続いて登場~!鬼ルート?(違)

    ・近藤さんカッコいい。新選組と共に歌う千鶴ちゃんかわええです。

    ・一通り紹介的なのは終了し、本編における冒頭シーン。「気をつけてね父様」のところ、突っ伏すレベルに頭下げる千鶴ちゃん。父様への想いを胸に歌唱する父子。この後の展開思うと「パパ、あんたというヤツは…」

    ・新選組…そして山南さんからいきなり変若水の説明を受ける千鶴ちゃん。個人解釈ですが、前振りの池田屋とかは華々しい歴史の助力になるためと思うと心苦しくなんだろうなと思いました。故郷捨ててまで新選組にいるのだからこそ。居場所ですよ居場所。

    ・山南さんの気高さ、原作アニメとはまた異なる形で表れてる。千鶴ちゃんの健気さ・芯の強さが健気で可憐美しい。

    ・羅刹障子シルエットホラー演出好きですねやはり。役者さんの演技が飛田さんの演技をちゃんと継承してるかと思えるくらい危うさを物語ってる。そして、羅刹化後の山南さんに襲われる演出すごいなこれ。これで惚れるとか心配するのはかなり難しいと原作見てても思います。

    ・双子ちゃん~!我の心浄化されました!可愛いよお可愛いよお…

    ・命は命…尊い。後のシーンだけど命の意味を考えさせられる。

    ・宴ワイワイ賑やか。薫君の話題となり、その後、薫君と千鶴ちゃんの対峙。複雑な事情をはらんでるのをより一層引き立ててる。

    ・御陵衛士に行く際、変若水のことで複雑なのが西田さんミュの平助君なのだと当社は判断しました。

    ・伊東一派の近藤さん暗殺計画、油小路の変…個人的には風間襲撃シーンにて、ミュでの山南さんは皆に羅刹としての成功例及び信念を見られてるからか、皆の理解も深いのかなと思いました。

    ・己の行く道、平助君に生きていてほしい気持ちに理解を示そうとする千鶴ちゃんが愛しい。

    ・↑なので、原作より皆の山南さん及び羅刹に対する考え方も比較的マイルドになるのは理解してます。返り血浴びて酷いからこそ、危うさが表れてる。鳥羽伏見の戦い。

    ・薫君と父様との三者面談。もうこれ手遅れ感なのは共通事項です。薫君男装姿も美しいな。いろんな情報が入ってきて戸惑いを隠せない千鶴ちゃん。…このまま薫君も共に救えませんかね!?

    ・山南さんの出番が少ないのはまぁ、原作も共通ルートでは同じなので致し方ないところはありますかね。

    ・共に行けない千鶴ちゃんと悲しみを隠せない薫君…だから薫君も共に救ってほしいんだよなぁ…とはいえ、薫君が山南さんとわかり合えるとは思えんのだけども(血涙)

    ・山崎さんの死。誠の旗が悲哀をより一層物語る。己の誠を貫くことを改めて決意する山南さんなりの優しさよ…。

    ・華ノ章パート突入。土方さんとの対立になる山南さん。どちらも男性陣で特に好きなキャラゆえにここいろいろ苦しいところなのだよ。

    ・千鶴ちゃん少女のはずだけども、やはり山南さんの千鶴ちゃんだなと思えます…芯の強さ・優しさが可憐いじらしい。

    ・甲府での戦いにて新政府軍の羅刹の存在を知る。羅刹は実在しなくとも熾烈を争う戦い。土方さんと山南さんの信念の違いが悲しくも、己を曲げない。

    ・千鶴ちゃんの寄り添う図やはり好き、羅刹隊活動研究禁止令を出された山南さんの途方にくれてる感も半端ねえです。

    ・役者さんの演じ方も相まって私の中で山南さんの千鶴ちゃんはやはり優しくいじらしく美しいとすら…となりました(ド偏見)。隊としての判断は間違ってても、運命の迷い子を庇うかのごとくまっすぐな千鶴ちゃん良き。

    ・新選組と決別する原田さん永倉さん。病の床につくしかない沖田さん。同じ夢を見ていたはずの新選組の悲しい未来がそう遠くないことを思い知らされる。

    ・脱走前の山南さんの心残り、新選組もだけど千鶴ちゃんも同じなのかもしれない。それでも千鶴ちゃんには未来のない・闇にしか存在しない自分よりも生きていてほしいと思うからこその別れ…儚い美。

    ・沖田さんの看病をしている千鶴ちゃんは他では山南篇のみですかね(まだ無印藤堂篇のみ履修)。沖田さんのやるせない想いと信念、そして近藤さんの最期。袂を別ちながらも、原田さん永倉さんの複雑な心境も悲しいところ。土方さんの悲しみもひとしお。新選組という居場所は皆同じ。これは…歴史ファンタジーミュージカルの色合いのが強いかも?(そういうの…好き)沖田さんの描写はアニメ及び山崎ルートを彷彿とさせる。

    ・上野へと赴くからか、原田さんがお千ちゃんの役割か。千鶴ちゃんと山南さん(とパパ達…薫君…)を探す。変若水を手にし、山南さんへの想いを馳せる千鶴ちゃん。優しい雨はさんちづでもありなのですね(きっぱり)。

    ・鬼の方々も再登場。ここにて雪村綱道の野望を知らされる。パパを滅しなければならない運命であることを知らされる。そして、原田さんとの別れ。ひたすら山南さんを探す千鶴ちゃん。

    ・山南さんとの再会。君がいるからこそ迷いと苦しみが出る…鬼な総長、山南さん故新選組を裏切りました。千鶴ちゃんの心痛が辛い。…山南さん、原作同様平助君を斬っちゃったよぉ…ルート再履修する度思うけど、いつもここしんどい(ばっさり)

    ・真意を明かす山南さん。ここにて山南ルートで最も人間的だったFD月影ノ抄同様の怒りと悲しみを露にする千鶴ちゃん。それでも芯がすごく強い。悲しい情報量が多い中、よく自分を保てるなぁ千鶴ちゃん。強い、尊い。

    ・真意を明かす山南さん。回りくどい言い回しをする山南さんに対し、優しく信じる千鶴ちゃん。羅刹の運命が悲しいものだと思い知らされる現実の中、千鶴ちゃんの芯の強さとどこまでもまっすぐに目を向ける優しさが尊い。健気、「違いますか?」のところの声色、優しい笑みすら汲んでしまう錯覚にとらわれるワイは瀕死状態です。

    ・さんちづ尊い。最終的にわかり合える優しい愛情を向けてくる千鶴ちゃんが愛しい…そりゃこんなにも心美しい存在が胡散臭い自分を好きになってくれる・信じてくれる子なんて可愛いに決まってるだろー!!!!!

    ・薫君の過去を思わせる悲しい声。辛い。そして新選組の顛末がそう遠くないことを知らされてるのかこれ。パパから「新選組抹殺命令」…おのれ、雪村綱道!!!

    ・新選組及び鬼の方々のパパの羅刹との共闘~!解釈的にこのルートではまぁ本来ありえないと思いつつ、これミュならではだろうと自己判断してます。隊士達の信念すごい!これは他メディア及び他篇へのPRか!?

    ・山南さん・土方さんの信念、互いに信じていたこと、千鶴ちゃんや新選組との出会いや日々を無駄ではないこと。そして生きていた平助君…実は信頼していたこと、千鶴ちゃんが寄り添っていたからこそ。そしてパパの羅刹隊との戦い好きですねやはり。

    ・一部分独自解釈が拭えませんが、自分は…わりと薄桜鬼スタッフ陣の懐の広さ故か受け入れれましたわ、いいですね歴史系ファンタジー!

    ・最後の悪足掻きの前に薫君に斬られるパパ。…そりゃ南雲家に引き取らせた上に、原作では雪村の里襲ったんだから当たり前やわ( ̄▽ ̄;)とはいえ、パパの記憶があるので到底わかり合えるはずもないのが鬼畜ですよ公式、薫君の歌声が悲しくも美しい!そして、山南さんに斬られた後に、千鶴ちゃんに抱き留められて最期を遂げるとか…悲しいなぁしか語彙出ない(ふたたび血涙)

    ・パパの最期。父子のデュエット。優しいけどさ、パパなりの想いが…クロガネやマスラヲ(どちらもヒヲウ)を彷彿とさせるなこれ。当て付け感とかハチャメチャ感。

    ・羅刹の秘密を解き明かすための事を平助君や羅刹隊士達に託される山南さん。土方さんのチートな気遣いが歴史あるあるこうであってほしい感を語ってくださる。

    ・山南さんと千鶴ちゃん。間違いなく、新選組は彼らの居場所。

    ・千鶴ちゃんの「たとえ地の果てまでも」宣言、山南さんの「千鶴」呼び効果は抜群だぁぁぁ!!!!!さんちづ尊い、尊い!!!!!

    ・とりあえず桑島フルボイス&アニメ真改各ルートを実装しよう、話はそれからどころかこれからだ…!(行き着く先はそこかい)

    *追加rkgk。薫君が生きてたら…のif世界線

    木村屋総本店にて酒種あんぱん販売は明治7年頃らしいですね。丁度朝ドラとユーネクで劇場版はい○らさん見てたのもあって妄想描き殴り。真改における薫君プロフ、好物が餡子だったなと思い出しつつ、月影後の帰国後で三人であんぱん食しながら銀ブラしててほしいですね。山南さんは惚れた弱みもあるけど面倒見はそう悪くないので何だかんだ苦笑モード。
    「まぁまぁ、どの味でも構わないのでとりあえず味わいましょう」
    「「構わなくない!!」」

  • ヒヲウ第一話感想

    シーボルトの息子・アレキサンデルの「もうすぐ富士山が見えますね」からはじまります。とはいえ、最初父子の会話はドイツ語。すぐ巻き戻して日本語吹き替えとなる、なんと親切な配慮演出。万国共通語ってないようなもんですかね、この時代。最初から日本語演出されては、異国人という緊張感もなんもないといえばこのストーリーに重みがなくなるのですが。
    ジュヌヴィエーブのスカートの下部分を見て(シシのからくり人形が捲った犯人です。好奇心あってもいい子は真似してはいけません、決して)、「見ろ!尻尾なんて生えてないじゃないか」「踵あったろ?お前西洋の女には踵ないっていったじゃないか」のやりとりが、異国人に対する知識はないどころか今の時代では「んなわけあるかーい」のツッコミになるところ、恐らく当時としてはありえる思考回路だったのではないかと思うと、才谷さんでなくても日本は異国に追いつかなくてはいけない空気感。そして、ここにてハイヒールからシーボルトの懐中時計ゲット。なんか得しちゃった!…というちゃっかりしたノリがヒヲウらしい。


    OPがとにかく熱い!炎の内部で生き生きと動き回るヒヲウ。それぞれの登場人物たちの個性や運命を裏付けるバストアップ演出、「ヒヲウーーー!!!」の連呼、キャラクター達がそれぞれ自分らしく走り回り、時に故郷や家族を想い涙…の熱いOP。和風ロボットアニメでツッコミどころも満載とわかってはいても、人としての温かみと、生きていると感じる躍動感に感動することこの上ない。OP終わり、本編のはじまりはじまり~。

    場所は三河・蓬莱村へ。ここがヒヲウ達・機の民の故郷。何気ないやりとりやケンカが、旅の頃にはほぼ見ることのできない日常風景を彷彿とさせるので、この先の過酷な運命が皮肉。それはさておいて、秋の収穫祭でからくり芝居。サイ兄ちゃんの語り口が日頃の冷静さとは対照的ですごく好きです。
    題材は南総里見八犬伝。これ、リアタイ時は当方はフィクションの中の創作だとばかり思ってました…自害する伏姫(おそらく八犬士の玉が方々に飛び散っていくシーンですね)の末路に疑問を抱くヒヲウは、幕引きどころか、伏姫が舞姿でにぎやかに舞う演出に変えてしまい、サイ兄ちゃんから「これでは話の筋がめちゃくちゃになってしまう」。対しヒヲウ「悪い事したわけでもないのに、死ぬなんてへんてこりんだ!」。理屈や教科書ではなく、本能的な勘でわかっているところが子供とはいえ、聡い…勿論芝居はめちゃくちゃな終わり方だけども、人として間違ってはいない。テツの「自分で刺し刺し?どしどし?」との疑問符も、それを裏付けているに違いない。ヒヲウとテツは子供だから鵜呑みにするではなく、勘の鋭さ・子供とはいえ疑問符を抱くのが聡い。

    そして博徒から逃げるアラシと遭遇。三木さんの少年ボイスが若くも男っぽさ満載。聞かん気がない生意気さ、好き。刀持っているから人を殺すかもしれないと、からくり人形を使って博徒を懲らしめるヒヲウ。アラシ、お礼…というかどこいった?
    機の民の言い伝えである「からくりは人を傷つけてはいけない」「からくりは力にあらず、からくりは祭りのために用いるべし」に背いたとして、サイ兄ちゃんや村長・長老(マチの父と祖父。お父さんは今回限り…)から叱られるヒヲウ。村長・長老の前ではせめて真面目に聞きなさい。
    そして、父ちゃん・マスラヲの存在とお母さん・マサゴが夏に病で亡くなったことも(視聴者視点で)ここで判明。ヒヲウは父親似と言われるけど、どんな父ちゃん?今でいう単身赴任?いや、家庭ほったらかし…?謎だらけというか疑問符が尽きない父ちゃんだが、一応、答えはここでは伏せておくとしよう。
    ヒヲウは人を傷つけるために使ったわけではないのだから、本人としては腑に落ちないし、明確に答えは出てるわけではない。答えはいつも涙が体現してくれる。
    「嫌なんだよ、人が死ぬのは…母ちゃんが、夏に病で死んだときだって…」一見すると情けなくも見えるけど、ヒヲウの根幹である純粋さをもっとも表している。このわかりづらいところがとてつもなく好き。

    シシとケンカと思いきや、腑に落ちない鬱憤か、あるいは「祭りのため」の意味を知るためか、町も一緒に、炎が奉納されているお社へ。ここでついてきたテツは「誰にも何も言うなよ」と置いてきぼりにされて泣いてしまう。素直なお兄ちゃん子可愛い。こういうところは五歳(一話当時)なんですよね。
    この時点では炎はご神体だけど、日本一のからくり師と謳われた(らしい)父ちゃんですら動かしたことがないとのこと。マユ姉ちゃんにそう諭されつつ、涙ながらに「やだ!俺は動かしたいんだ!これは絶対に動く、父ちゃんはそういった!俺は父ちゃんを信じる、俺は…」言葉ならない答えは涙に出てくる。この純粋さが響くんです。桑島ボイスが少年の元気さだけではない、ただならぬ純粋さ・父を信じる健気さが伝わるの、本当好き。
    「だめだなんて言ってないわ、やってみなさい。でも朝までに動かせなかったら、二度とここには来ないのよ」。優しい、矢島さんボイスの柔らかさとたおやかさが愛しい。推測だがお母さんが亡くなって最も悲しんでいたのはヒヲウなのだろうか。父ちゃんを信じるヒヲウの気持ちを尊重してるのか。それとも炎を動かすことが出来たとしたら「答え」が見えると悟ったからか…きっと全部だろうな。ただわがままをきいてやってるわけでないところ。マユ姉ちゃんの母性が光る図式は、この先のストーリーからも見えてくるのが泣かされますね。

    そしてその頃の蓬莱村。スチーム式のからくり忍者集団・風陣が村に火をつけ、からくりを、人を、襲撃。夜の背景に真っ赤な炎が映えているからこその、機の民が築き上げたものが滅んでいく悲しさが伝わる。酷いだろこれ。
    サイ兄ちゃんは長老の「子供たちを連れて逃げよ。逃げてマスラヲを頼れ」を皆に伝え、「でも!!!」と慌てるシシやマチを諭す。シシの反応は特に最もらしいんだわ…こんな非常事態になってるのに母ちゃんに会えないん=助けることがままならないんだからなぁ…。マユ姉ちゃんが炎を動かすまでの間、空中からくり(起動時間がすぐに落ちるらしい…)で敵の目を引き付けておく手段に。飛び去る姿に彼女の芯の強さと行動的なまっすぐさを感じずにいられない。姉ちゃんを助けるために、残る仕掛けを片っ端から探りつつ、シーボルトの懐中時計が最後の鍵になってたことが判明。これ、ツッコミも勿論つきないけど(異国の時計とか…)、知識ではなく、ヒヲウの勘と才能を表現してる。もちろんそこに込められたメッセージもあるのだろうけど、ここは割愛。
    カチ、カチ、カチカチカチ…ガタガタガタガタ…炎が動く、動いていくシチュエーションが静かで、徐々に熱く、魂が宿っているかのような。ヒヲウの「走れ、炎!!!」の言葉を待っていたかのように炎が動き出した(この時はまだご神体モード)
    姉ちゃんは死も覚悟してたのか…間一髪で駆けつけたヒヲウに向かって、思いっきりダイブ&キャッチする姉と弟の図、大好きです!!!

    そして風陣の若頭・アラシも、博徒から自分を助けたヒヲウを探していた。アカに村のことはこの際きっと任せてたんだろうな…この先、こういう勝手な振る舞いにアカの鬱憤が溜まっていくことだろうなぁ…。炎と出くわす時、「お前は!?」が熱い。この時点では敵であるふたりの図式。
    「俺はヒヲウ!このからくりは、俺の炎だー!!!」の熱さが互いのこれからの関係性を期待…というかどうなっていくのかという焦燥感を引き出してる気がしなくもない。こういう桑島VS三木ボイスのキャラの関係性も好きだったりします私(すみません)。
    ヒヲウVSアラシ…迫力に満ちた墨絵を思わせる三枚のセルという時代劇らしい演出で幕は閉じる。ここの演出は毎回おなじみなのですが、ストーリーの展開によってほのぼのだったり、ビターだったり、不穏しか感じられなかったり…と見どころなんですよね。


    歴史上の人物のツボ@一話

    ほぼwikiから抜粋したものですが、妄想と偏見を兼ねて。歴史は好きですが、曖昧且つにわかなので、tomoがメモしたいことが主です。

    *フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト
    1796~1866年。ドイツの医師。1823年8月初来日。大学時代は医学の他、動物・植物・地理を学ぶなど学術豊富。シーボルト家は中部ドイツの貴族階級らしい。出島で開業後、鳴滝塾を開設し西洋医学を教育。塾生には高野長英など。
    …蘭方医を名乗る某東国の鬼の傍流も案外ここの塾生から習ったんk(混ぜるな危険)。
    彼の来歴(まぁ調べれば日本を視察していたのはわかるのだが)や某事件から察するに、極めて癖が強いというか、なんというか…少なくともあの世情不安の中では彼も不穏な空気がしなくもない(ド偏見)。

    *アレクサンダー・ゲオルク・グスタフ・フォン・シーボルト
    1846~1911年。シーボルトの息子。幕末期には、父シーボルトがイギリス公使・オールコックを通じて在日英国公使館の通訳者。明治期は新政府のお雇い外国人だったり大蔵省翻訳官だったりと外交・通訳関係で知られるかと思われる。ヒヲウキャラではサイと大体同年齢ぐらい。フィクション作品で有名なのは恐らく「青天を衝け」。
    生麦事件・下関戦争・兵庫開港要求事件・1867年及び1878年パリ万博では通訳。
    主な兄弟として異母姉に楠本イネ(医師)、弟にハインリヒ・フォン・シーボルト(オーストリア=ハンガリー大使館の通訳・外交)。

  • ヒヲウ一行達 -シシ・マチ篇-

    唐突に語りたくなったヒヲウ一行。
    皆それぞれにすごい愛着があるのですが、どっから綴ればいいのやらと思いつつ、マイペースに、時に暴走気味に長々と綴っていますが、どうかよろしければお付き合いくださいませ!


    シシ

    家族構成がお母さんしか確認できなかったので多分母一人子一人かと。でも一行の中で一番普通というか視聴者に近い子って彼じゃないかと。
    リアタイ時は母ちゃんを(理不尽な形で)失った悲しみの印象が、大多数の視聴者からは悪い意味で強かったのか、ファンサイトでは結構辛辣なコメントが多かったイメージなのですが(私の記憶違いであってほしいところ!)、実際に突然家族を奪われたらそりゃすぐに立ち直れるわけないし(たとえ非力であっても)、「母ちゃんの仇ー!!!!!」ってなるのが当たり前なんじゃないかなと…。
    四話はヒヲウの言葉にするのが下手な正論に対し「お前にはわからねえんだよ!」と…シシのような境遇になればそらそうだわな、と。それでも、壊してしまったからくりを目前にして、ヒヲウの気持ちが通じたのか、シシ自身の懐の広さ故か(結構見落とされがちだけど、縁の下の力持ちだし、繊細だし、かと思えばヒヲウよりも語彙力はあって冷静に物事判断出来てるんですよね…!)、ちゃんと仲直り…これがアラシ相手だったら、きっとこんな風にやんわりと和解できない。

    原田さんではないが、「正直ほっとした」が…四話視聴者達のすべての感想を体現してるような…!DVDBOX上巻ブックレットの「文句言いつつも、よくある力任せの馬鹿キャラでないがポイント」…うん、スタッフさんがキャラクター達へ愛情をもってるのが伝わるの本当好き…そう、皆が皆ヒヲウやマチみたいな純粋・強い子ではないから…シシってそういう多様性を感じずにはいられないキャラであり、一番視聴者に近かったのだな~と、実は再燃してからずっと思っていたことだったりします。シシ、単純なところもありつつも、繊細で本当にいいやつです!!!


    マチ

    つり目・ポニテ・村長の娘枠は強いの印象。行動力はやはり機の民の末裔及び村長の娘ならでは。8話の乙女心とイケメン感強い。最終話で新選組内で働いてる。千鶴さん(はくおーき)の聞き役してるといい。ちなみにマチちゃんはおーき土方さんよりもおーき原田さん推しになりそな予感。

    一昔前だったらきっとメインヒロインのポジションだったと思うんですよね、彼女。お転婆で強気な幼馴染だし、何気にヒヲウのこと見てる・気にかけてる気がしなくもないし(詳細は不明ですが、CVの水橋さんは「マチはヒヲウが好き」とのことです)。かといって決していわゆる恋の当て馬的な女の子ではないの、すごい好きなんですよね。このジャンルで言っていいのかはともかくとして…何というか少女漫画や乙女ゲ―のヒロインのサポート・親友ポジのサブヒロインな印象ですね。

    ヒヲウやシシとの仲良しトリオも勿論なんですが、個人的に華ちゃんとの関係性・理解までの変遷に着眼点が向く子。最初は育った環境・身分の違いもだけど、置かれた状況の壮絶さから、どんなに女の子同士だから親しくしたいと思っても、隔てずにはいられない大きな壁があってピリピリしてましたし。そういった現実を目の当たりにしても、マチは華ちゃんを見捨てるなんてことが出来るわけがなく…。
    そして、実はマチってこの八話でしか涙を見せないんですよね…機の民の村長の娘として育ってるからもあるからなんでしょうけど、普通なら両親を殺されたところでシシのようになる状況下で捻じ曲がることもなく、幼いながら勇気を持って行動に出るし、ちゃんと乙女心も持ち合わせてるし…すごく強い子ですよ。私的見解では、一行きってのイケメン(ガール)枠です…馬関編二十二話での女の勘も、ヒヲウと華ちゃんを見守ってる印象が強い。最終話にて、三剣姉弟に対し笑顔でお辞儀をする姿を見て、「素敵な女性になったね」と思わずにいられなかったです。こういう描き方もヒヲウの見どころかなと…。